恐怖の語部 第七怪
同窓会
十二月――
弘美の所へ、クリスマス兼同窓会に関する案内状が配達された。
高校卒業して大手企業に入社し、OLとして働くようになってから五年が過ぎた。同窓会に招待されたのははじめてで、それは高校時代の友人たちの手によるものだった。千円相当のプレゼント持参が条件だが、弘美にとってなつかしい友人たちに逢うことを楽しみにしていた。
同窓会の夜――
五、六年経っても変らぬ友人、結婚して主婦となった友人、すでに母親となっている友人もいた。男子ではサラリーマンだったり、スポーツ選手だったり、大学院生だったり、まちまちだ。
そんな中で、弘美がひそかに憧れていた啓一の成長した姿に感動していた。化学者として海外で働き、その休暇中で日本へ帰郷したと言う。
クリスマス兼同窓会はにぎわっていた。おしゃべりしながら食べたり飲んだり、カラオケを歌ったり、そしてプレゼント交換が始まった。クジで順番を決め、集めたプレゼントの中から好きなものをひとつだけ選ぶ方法だ。
弘美が持参したプレゼントは偶然にも、啓一の手に選ばれた。それはオルゴールだった。そして、弘美が選んだのも啓一の持参したプレゼントで、それはケータイにつけるサンタ人形のホルダーだった。
楽しいひと時も過ぎ、やがて、お開きとなった――
弘美と啓一は、友人たち誰にも別れを告げることなく、同窓会をあとにした。誰も弘美と啓一の存在に気づいたものはなかった。
弘美は交通事故ですでに死亡している。啓一も勤務先で病菌におかされ、あっという間にこの世を去ったのだ。
望郷という念は捨て切れず、魂のみ、残っていたのだった――
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